2005/6/13 NAKANO BEAUTY COLLEGE ディズニーランドリピーティングゼミ お客さまをリピーターにする‘サービス‘とは 〜ディズニーランドに学ぶ‘ホスピタリティサービス‘の環境作り〜 『ディズニーの世界は、お客様に感動の環境とエンターテイメント性がポイントなのですが、 この根底には‘信頼性‘が隠されています。つまりお客様が‘違和感無く ‘エンターテイメントの世界に飛び込めるようにするのですが、 それは企業の‘核‘としての‘哲学‘と、それをお客様に‘形として訴えるこだわった雰囲気‘ そして‘日頃のオペレーション状況‘がテーマなのです。 つまり前者は‘その時点のトップや上層部幹部、企業理念やビジョン‘、 そして後者は業種における‘商品とそのサービス状況‘と、 それを‘疲れず形にし続けるスタッフ‘がいなければならないのです。』 M&Nオフィス 小松田 勝氏 ディズニーのリピート率は95%以上 ロイヤルカスタマー=リピーター 新しいお客さんが2〜3%でもいないとダメ! サービス産業のサービスとは? 以前は一般企業がお客が来てから行なう事がサービスだった。 「サービスしてよ!」の意味は、「値段を下げてよ!」と「作業してよ!」がサービスだった。 何が無いのか、何が必要か? 多くのお客様が、色々な経験をした。 お客様を大きく分けると2種類 ・来てもらっている人と、まだ来てもらっていない人(まだの方が多い) ・カスタマーとコンシュマー(消費者) 2つの客種に合わせたサービスを考える。 T 時代の‘サービス‘に対する捉え方 パートやアルバイトに感動させる接客をさせるのにはどうしたら良いか? トゥモロ−ランドテラス(1200席、12台のレジ)は「1分以内に提供する」(CS) 最初の慣れない時は時間がかかった、「客に怒られ涙を流して謝罪しながらも 笑顔でオペレーティング(基本姿勢)」をしていた新入社員がいた。 カッコウ付けてちゃ出来ない。そういった環境が大切。 1,情報化 情報化によって人が動く(値段・新製品) 新しい店、商品が出来るとスグに気が付く。 2,ストック効果 詰め込む、積み上げる。 差に気付く事をいう。物まねではダメ!(考えない) 良いモノは勉強→全くそのままではダメ→少しヒネル→考える事! あまり忙しいと考える事が出来ない(余裕が無い)、しかし人が来ている時に次を考る。 来なくなってから考えていたのでは遅い。来なくなったらお終い。 (お客様が)嬉しいプロジェクト 意見・データを集めて自店のお客様に何をしたら良いか? 3,ジェットコースター・カーブ 情報によって人が動く中でのサービスの考え方。 U ‘サービス‘の考え方 1,企業の「戦略的なトータルマネジメントとしての‘サービス‘」 企業の戦略的マネジメント 会社組織としてのサービス これから来るお客様のために何をしていくか。 ココへ行けば○○をしてくれる・・・ それを知らせる。 現場はオペレーションとしてのサービス 2,現場(店舗)での「オペレーションとしての‘サービス‘」 @基本作業としてのサービス オペレーションマニュアル=教科書 「ココまではやらないとダメだよ・・・」と言うサービス マニュアルは見直しをするもの。作った時点での最高標準が書いてある。 少人数の場合でも年齢によるジェネレーションギャップがあるので必要。 1〜2割はその場で考えないといけないのでマニュアルは8割まで。 マニュアルは「最高標準」であって、最低標準では意味が無い。 上着を預かってハンガーに掛ける。人に見られて 服の腕が中に入っていたらそのまま掛けるか? 直して掛けるか?→それが差→気持ちよくかかっているか? 見苦しく無い作業は出来て当たり前の事。 A‘安価にする‘サービス 「サービスしてよ〜」と言ってもらえるサービスは出来て当たり前。 それ以上のサービスを目指さないとダメ! BCS(Customer Satisfaction顧客満足度指数)サービス ディズニーの2/3はクレーム・レター マニュアル以上のものを考える→その環境をどう作るか? 「ズボンの汚れは洗えば落ちます・・・」と『平然と言った』 平然と言う事により心に一生残る。 Cホスピタリティサービス(感動)『心の前傾姿勢』 「おもてなし」は辞書に載っていない。「もてなし」なら辞書に載っている。 お客様がそこにいるからで無く、自分がお客の立場の時に従業員の人に○○を 配る。 サービスを経験した事の無い人がどうやったら人に感動させられるのか? リスクを負ってでもやろうとしているのかどうか人にはわかる。 お客様のために一生懸命になれるか? 先に出た「涙を流しながら笑顔でレジを・・・」の女性は人が良かったので最初は人に利用されていた。 しかし芯がしっかりしていたので周りが認めるようになった。 人に教えてもらっていない事が出来るのは、その人自身が最初から持っていた。 持っていない人はどうするか? また、どうさせるのか? 自然とできるのか、とって付けたような事か? ※「良心の表現」→本質的な暖かさを表現する事をする。 それが自然とできるために、沢山気付きなさい。 ※教育とは知識技術の詰め込みではなく、気付かせる事。 ※感動の定義→感動とは期待を超える事。お客様の期待感を超える。 「こんな値段でココまでやってくれるの?」 但しゴマをする方法ではない。安っぽくなってしまう。 Dボランティアサービス ボランティアは半分ビジネス ※「ビジネスとは、哲学そのものなり」→「哲学とは生き方なり」 →「人生とは哲学そのものなり」→「人生とは、生き方とは、壮大な実験場なり」 こんな時代だから地道にやる。ボランティア的にする。 「人のためにできるようになりたい!」と言う思い。 部下は日頃から厳しくしておく、それは失敗させないため。 失敗したら許してやれ。失敗を一番知っているのは本人だから・・・ 瞬間瞬間に教えがある→それに気付くかどうか。 マネジメントを人にどんどん言い伝える→その為に努力を惜しまない。 良い人とめぐり合って始めて気付くし、好転する。 大変だから頑張るし勉強をする。楽な時にためになる事は無い。 「らしさ・・・」ボスの思い→スタッフに伝える事で「DNA」となる。 それを「さりげなく」アピール→「誇り高さが良いサービス」をさせる。 ・社員アンケートをしたら「ディズニー」に対し、ほとんどが誇りを持っていて、 「オリエンタルランド」に対しては、ほとんど誇りを持っていなかった。 V ディズニーランドのサービスが評価され、リピーターを増やした理由 1,感動が伴ったサービス方法 「SCSE」「安心・安全」 コートシー→「礼儀正しさ」 ディズニーでの挨拶は「こんにちは!」ナゼか? 1番フレンドリーな会話が出来る。「いらっしゃいませ!」でお客様は返事が出来るか? ネームプレートは正社員・準社員・パートの差は無く苗字だけ→「人として同じ」 @施設のトータルなできあがり 舞台上にいるから「キャスト」 舞台衣装だから「コスチューム」 物語性があるから次を考える事が出来る→「理念」 数よりも来て頂いた方に充分なサービスを! 「CS」に対しての「ES」 良い従業員がいる店には良いお客様が付く。だから一生懸命にやる。 会場でのプレショーではなく、お客様が家を出て、電車に乗ってシンデレラ城が見えてくる、音楽が聞こえてくる・・・、 それら全てが「プレショー」 ゲストの側が雰囲気を作ってくれるようになる。 Aコミュニケーション力 コミュニケーションは相手を認めること。本気になって相手と向き合う。 1人だけではダメ。「チェーン・オブ・サービス」皆が良かったら行きたくなる。 各自が各ポジションを一生懸命にやる。 ・感動を伴った→お客様の立場に立ったサービスは日頃の自分の行動の延長線上にある。 次に来てもらうために、どうすれば良いか? 自分がどうされたら・・・?を考える。 ・細部にこだわる→ディベートを繰り返すことにより力がつく。 ・重要なのはお客様の顔を見る事(視認する事) 笑顔で挨拶が出来ているか? 相手を認めているか? 長い時間マンツーマンで対応が出来る→コミュニケートする時間が「やらせ」でなければ「ファン」になる。 Bチームワーク力 チームワークのポイント 自分の仕事は完璧にやり遂げる。 フォローする場合でも自分の仕事はきちんとする。 (自分の仕事が出来ない言い訳にしてはいけない) 自分の守備範囲をしっかりまとめて、他の事を手伝う→自分がレベルUPする 「研修生」「見習い」は、お客様に我慢してくれと言うメッセージ 店の言い訳。あたったお客様がアンラッキーではダメ! 出来るようになってから初めて現場に出す。 C清潔さ ディズニーランドで1番お金を掛けている所は「掃除(クリンレス)関連」 コスチュームは毎日洗濯。自分の服でも汗臭ければ着ない。 清潔で無いと「笑顔」に繋がらない。「フィロソフィー」を伝えるために必要。 ・ディズニーの掃除関連部署のマニュアルの1番最初に書いてあるのは、 「朝1番に来て頂いた赤ちゃんがハイハイしても大丈夫なようにする」 ディズニーでは夜でも電気を消さない、・球切れのチェック・掃除がやりやすい・場所の確認のためにも消さない。 (飛行機や高速道路から見える) 夢の国がゴミだらけなら夢の国にならない。 Dエンターテイメント性 ファミリーが楽しめたなら、全ての人が楽しめる。 2,キャストに自然に伝える環境 @教育の徹底 ・目的 最終到達着地点 しっかりしていないとカッコ良さだけに惹かれる。 (ウチの店に来て頂くお客様を綺麗にする。良い気分にする) ・企業理念 コンセプト ディズニーの場合は、「ファミリーエンタテイメント」 「一歩入れば夢の国」映画館だとタバコを吸う人が居ると周りの人が迷惑する。だから「テーマパーク」になった。 ・運営理念 「SCSE」 お客様だけでなく、従業員が幸せに。準社員の教育の方が正社員より先。 「今日から、あなたはディズニーファミリーの一員です!」→自分を磨くようになる。 統一感のあるサービスが連続していないと、お客様が変に思う。 Aシステム化と考えさせることへの対応 一般企業 @一般常識 B専門教育 A社内教育 ・全てのお客様が「VIP」といった教育が大切。 お客様でなくゲスト→「家に大切なお客様を迎える気持ち」 ※「教育とは」→「慣れずに新しい事を学ぶツール」 マニュアルは半年に1度見直しをする→できるようになる→その時点で1番レベルの高い人に合わせて作り直す。 Bブラザー&シスター制度(コーチング力)の確立 新人を教える事は、その時点で人が減ること。 人手がかかるからレベルが落ちる。 「リードする」という制度が、ブラザー&シスター制度 1人で30人(多くても)ぐらい教える。 上がやって当たり前のこと。違和感無く教える。昇給に繋がる。 W 具体的なサーヒスの基本 1,サービスの質=人の質人の質 企業の質→仕事の質→=マインド(人間性)&レベル(知識・技術の勉強量) &パワー(実行力)の、全てが出来て質が上がる。 経験年数では無い、どれだけ一生懸命にやってきたか。 どんな事でも入り込むと感性が出てくるのが閃き。 ・人間性→人のことを考えない人は良いサービスが出来ない。 だが人が良いだけでは騙される(バカにされる)→頑張れば認められる。良い所を人に伝える。 勉強は理論武装ではない。 口ばかりではなく勉強したら実行→自信が付く 本当のサービスは家でも行なう。イザと言う時に日常が出る。 2,サービスの3大基本 「態度」「身だしなみ」「言葉遣い」 眼の使い方、立ち方、微笑み方等 バックステージ(人の居ない所)からオンステージ(人の居る所)に出る時に全身が映る「ディズニーミラー」を見て出る。 準備してから出ないと、人は虚を突かれた時ひらきなおる。 開き直るとサービスが出来ない。 ・少しでも待たせたら「お待たせしました」 「待った」「待っていない」等は、人によって考え方が違う。 嫌な事は帰り際に言うことが多い。 ・苦情は苦情にあらず。 苦情は情報処理。 「快活」というのは格好を付けて動くわけではなく、一生懸命動く事。 いつもやっている以上の事は出来ない。 スタッフレベルはトップのレベル→トップの質が出る。 ※お客様1人1人が重要、来ている人に徹底的なサービスを与える事が重要! 3,サービスの具体的な重要ポイント 相手の立場になって心で考え、リスクを負える癖をつけ、基本的なことをしっかり押え、 余計な気遣いをさせず、明るく活発な雰囲気造りと先を読んだ対応をすること。 ○笑顔と挨拶が‘タイミング良く‘自然に出来ること ○お客さまをお待たせしないこと ○‘明るくその場に合った‘丁寧な言葉遣いをすること ○お客様から言われる前に、お客さまが望んでいることができること ○お客さまの名前やお顔、また嗜好やスケジュールなどを覚えておくこと ○‘その場に合わせた‘会話ができること ○周囲の方々の、バランス、調整が‘自然に‘図れること ○周囲の人に気を遣えること ○電話対応が正しく、感じ良くできること ○お迎え、お見送りが感じ良くできること ○常にキビキビとした、‘快活‘でスマートな動きであること ○言われたことなど、物忘れしないこと ○清潔感があること ○間違えやミスがあった時、心から素直に謝罪すること ○お客様の動きに注意し、必要なときにはすぐに対応できること ○必要なことは事前に言うが、必要なときにフォローできること ○お客様に恥をかかせず、常に立てることが出来ること |